大地は球状である。 生物が分布しているのはそのうち一部の円状の領域。これが一般に”世界”と認識されている。 “世界”の中央には大砂漠がある。理論上の世界の中心は到達不能極とも呼ばれる。近づくにつれ急速に魔力の濃度が高くなり、耐性のない物質は破壊される。 “世界”の外側、外界はあらゆる理が停止する”凪いだ”領域であり、数多の探検家が挑んでは消えていった。
大砂漠のある最大の大陸。”大陸”といえば大抵ここを指す。 魔力の濃度が高く、外側から訪れた人間は魔力酔いを、逆に外側へ移動すると倦怠感・無気力を覚えることがある。いずれも移動速度を落とし、身体を慣らしてゆくことで回避できる。
南方の国。海運、良港に恵まれ、砂漠を渡らない安全な中継点として栄えている。 南部の温暖で安定した気候は果実栽培に向く。大陸に向けては葡萄酒や砂糖漬けといった加工品を輸出。危険ではあるが、外界ぎりぎりを東西へ輸送することで鮮度を保つ手法がある。
西方の島国。 戦乱渦巻く西方で唯一中立を貫き、外交にも積極的。 国王の芻/スーは強力な魔術師と言われる。この小国が侵略を免れているのが何よりの証拠であると。
東方と大陸の中間にある荒地帯。 魔力が砂漠から複雑な地形に流れ込み、魔物が頻繁に発生する。これを討伐する退魔師、退魔師の為の宿場町、荒稼ぎを狙うならず者、魔術師などが集う大砂漠以上の無法地帯。
その名の通り死なない者。 魔法による延命は容易な為、そう言う意味での不死者は少なくない。 真の不死者とは、それ自身が魔法、理、究極の”個”であり、他者の干渉を受け付けない。一種の伝説。
魔法使いの中でも、長年に渡り魔法を究め強大な力を持った者。 都市を築いた英雄から、民衆を悩ませる狂人まで様々。今では後者の意味合いで使われることが多い。
魔物退治を生業とする人々。名高いものは村や都市単位の守護に雇われる。雇い主の無いもの、名を上げたい者は皆東の荒地を目指す。
青い髪、金の瞳、褐色の肌を揃えた容姿のこと。 魔導が得意な人間が多い──というステレオタイプが根付いている。
黒髪黒肌。東方では一般的な特徴だが、ネグザルドに結びつけてこう呼ばれることもある。
魔法とは、万物に宿る神秘の力を操る技術のこと。 その中でも砂漠特有の「言葉によって発動するもの」を魔導と呼ぶ。砂漠に適応したもののため、世界の外に向かうにつれ効果は弱くなっていく。 その他の魔法については、一括りに魔術と呼ばれることがある。”訳の分からない魔法”、”外法”のニュアンスもあるため、無闇にそう呼ぶのは避けられている。
人の本来持つ魔力を高め、病気や怪我を治療する魔法。 治療する部位や地域によって多彩な術式がある。術者の負担が大きいために一般的な報酬は高額。ヤブ療術師も少なくない。 療術の地位の確保、より良い療術を目指す組織がある。
ネグザルドに伝わる一家相伝、門外不出の魔法。 故郷を追われ、荒地に逃げた貴族の生み出した禁術が起源との説。 吸血鬼伝承はこれに基づくものである。
西方発祥の、文字を媒介とした魔法。西方の旧字が元になっており、字が読めるなら魔法に明るくなくともその効果を予測できる。 筆記しておけば他者でも扱える。主な用途は武器への符呪、護符、結界。 とくに複雑なものは、意図しない使用や筆記中の事故防止のため暗号化される。この場合、書き手と使い手が復号法を共有して使用する。
禁術。
禁術でこそないが、大陸では特に忌み嫌われる。
大砂漠の万屋。
組織の規模は大きくないはずだが、売買に輸送に仲介と事業はかなり手広い。
エルクラーネの商家、ヨルダール家との関連は”なきにしもあらず”と公言されている。
黄金の実、あるいはマルメロ。
魔術師によって放棄された合成獣や竜化生物の保護、研究を行なっている。
保護した生物の活用法も模索している。
あくまで研究機関であり戦闘員は少ない。
そのため駆除や保護に関しては、退魔師に協力を仰ぐことが多い。
“鉄食い” の逸話がある。
大書庫、あるいはライブラリ。
あらゆる情報を集積する。
書庫の一部は一般公開もされている。
療術協会ヒギエア。
キスヴァ・ザメニス率いる療術協会の最大手。
療術の研究、術師の育成、適切な施術の提供などを理念として掲げている。
大都市の診療所の多くがヒギエアの傘下である。
放浪の吟遊詩人が率いている。詳細不明。